公立の小中学校で、給食費を完全無償化する動きが全国各地で相次いでいる。これまでは比較的規模の小さな自治体が目立ったが、人口が多い市区にも広がっているのが特徴といえそうだ。物価の高騰などが背景にある。しかし、課題も少なくない。
約35万人が暮らす大阪府高槻市。今年4月から、市立中学校の給食を完全に無償化した。中学生になると、部活動や習いごとなど家庭の負担が増えることから、子育て支援として給食の無償化が「一番効果的」と判断したという。
時限措置は設けていない。対象は全18校の計8600人ほどで、市は年間4億5千万円の費用を全額負担する。
円安などに伴う物価の高騰を受け、9月からはさらに市立小学校でも無償化を始めた。全41校、約1万7千人の児童が対象だ。
市内で2人の小学生を育てる女性(31)は「子どもたちは毎日おかわりするくらい給食が大好きなので、とてもありがたい」と話す。
文部科学省が2017年に実施した調査によると、当時の全国1740市町村のうち、小中学校ともに無償化を実施していたのは76市町村。7割超が人口1万人未満、9割超が町や村だった。
文科省はその後、同様の調査を実施していない。そこで、今年9~10月、朝日新聞が47都道府県の教育委員会や学校給食会などに取材したところ、小中学校ともに無償化している市町村が、少なくとも200以上あることが確認できた。
文科省の担当者も、「断言はできないが、給食を無償化する自治体は増えていると感じる」とする。
17年調査とは異なり、人口…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル